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医療関係者の方へ徳田安春先生回診

10/12 神経診察 デモンストレーション

  • 失語の評価のさいは、利き手がどちらか確認する。
  • 脳梗塞じたいが原因でも発熱する。
  • 脳梗塞+発熱→感染性心内膜炎のseptic embolizationや、mycotic aneurysmがないかどうか鑑別する
  • 脳梗塞の病態
    • 発作性心房細動(心原性塞栓)→心電図モニタリングをおこなう
    • 頸動脈狭窄からのA to A embolization(頸動脈由来の血栓塞栓)→頸動脈の聴診を行う。頸動脈エコーを行う。
    • 頸動脈の聴診:下顎角直下の拍動を触れる領域を聴診する。(頸動脈の分岐で狭窄が起こることが多い)
  • 脳梗塞を疑う患者さん(とくに左片麻痺)では、大動脈解離がないかどうか評価するとよい。
    1. 血圧の左右差がないか(⊿BP > 20 mm Hg)
    2. 大動脈弁逆流症の所見はないか(2LSB, Erbを最強点とする、高調な、拡張期漸減性雑音)
  • 心臓の聴診では、心尖拍動を触知してから聴診する。
  • 心尖拍動の触診は指先で行う。
  • 心尖拍動は第5肋間、正常では鎖骨中線よりやや内側で触知する。
  • 鎖骨中線は、画家が距離感をはかるときのようにして同定する。(適当な画像がなくてすみません。ご興味あれば当院までお越しくださったときに、おたずね下さい。)
  • Watershed infarctionは、脳の血管の支配領域の境界の虚血
    • 血行動態が不安定となったときに、血栓がなくとも生じてしまう
  • 脳神経の支配の概念図が書ける様にすると、部位診断に有用
  • 下肢の筋力低下の評価には、蹲踞から立ち上がれるか、つま先立ちが出来るかどうかが有用

以上です。
当院ではこのような教育回診や、ベッドサイドでの診療を通じて身体診察を身につけることができます。
身体診察を身につけるには、

  1. 身体診察を教えられる指導者がいる
  2. 患者さんにその身体所見がある
  3. その場に身体診察をとりたい学習者がいる

といった条件が必要です。

①、②について、当院は非常に充実していると自負しております。身体診察を学びたい仲間を大募集しております。

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不明熱、片側股関節痛の患者さんについてdiscussionしました。また、「腹痛の診かた」について系統別レクチャーをして下さいました。一部ですが、Tips and Pearlsをシェアします。

古典的不明熱の原因・・・病因は6つ

①感染症・・・感染性心内膜炎は、膠原病に似た病像を呈することがあり要注意。ステロイド治療で悪化する。

②薬剤熱

薬剤熱の「比較」三原則

  • 比較的元気
  • 比較的徐脈
  • 比較的CRPが低い

発熱に伴う脈拍数の覚え方

  • 「39℃で110番(39℃で110回/分)」

④悪性腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、固形癌

良性腫瘍:心房粘液腫は発熱の原因となる(腫瘍がIL-6を産生するようです。)

⑤内分泌疾患

甲状腺機能亢進症、副腎機能低下症、褐色細胞腫など

⑥自己炎症性疾患

例:PFAPA症候群・・・主に小児の疾患だが、成人でも認める。

Periodic Fever, Adenitis, Pharyngitis, Aphthous stomatitisの頭文字をとった症候群。

Classic psoas sign:股関節を屈曲したまま、伸ばせない。腸腰筋の炎症、腸腰筋への炎症の波及を示唆する。

感染症にまつわる病歴聴取mnemonics

“STSTA”

  • Sick contact
  • Tb contact, history
  • Sexual history
  • Travel history
  • Animal contact

 

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