臨床工学技士(Clinical Engineer:CE)とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて医師の指示の下に、血液浄化装置(代謝・腎臓)、人工心肺装置(循環・心臓)、人工呼吸器(呼吸・肺)などの生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とするものです。近年の医療機器の目覚ましい進歩に伴い、医学と工学の両方の知識を有する専門技術者として医療の重要な一翼を担っています。当院では2002年4月に開設し、現在以下のような業務を行っています。
透析室では腎不全により腎臓の働きが弱くなった患者に対し、人工透析を行うことで血液中の老廃物や余分な水分の除去を行っています。
血液透析(HD)、血液濾過透析(HDF)といった基本的な治療に加え、血漿交換(PE)・LDL吸着・エンドトキシン吸着(PMX)・腹水濾過濃縮再静注法(CART)も行っています。
また集中治療室(ICU)での急性血液浄化にも対応しており、医師や看護師と連携しながら患者さんに合った治療方法を検討するなどして治療に携わっています。
当院では臨床工学技士が主体となり、透析患者のバスキュラーアクセス(VA)に対して定期的なエコー検査を実施しており、血管の石灰化や内膜肥厚による狭窄を早期に発見しシャント閉塞のリスクを未然に防ぐほか、エコー検査の結果を踏まえた穿刺部位の検討や穿刺困難患者に対するエコー下穿刺も行っており患者さんのシャント血管を長期使用ができるよう努めています。
そのほか、安全に治療を行うために透析装置の保守点検、透析液清浄化業務としてエンドトキシン・生菌検査も行っています。
心臓カテーテル検査や経皮的カテーテルインターベンション(PCI)、末梢動脈疾患のカテーテル治療(EVT)、ペースメーカー植込み術を主として携わっており、患者バイタルの監視・記録、自動造影剤注入器の管理に加え、ロータブレーターや大動脈バルーンパンピング(IABP)、体外式ペースメーカーなど手技中に使用するデバイスの準備・操作を行います。
ペースメーカー管理業務では月2回ペースメーカー外来として術後のフォローアップや設定の見直しを行いつつ、遠隔モニタリングにて致死性不整脈や電池消耗・リード異常の早期発見にも努めています。
手術室では主に整形外科・脊椎疾患分野での手術に関わっています。手術中の出血を回収洗浄し輸血へと役立てる「自己血回収装置」や、固定術などで骨にスクリューを挿入する際に、血管や神経の損傷の予防をサポートする「術中ナビゲーションシステム」の操作を行っています。これは、手術中に撮影したCT画像とナビゲーションシステムを連動する事で、非常に精度の高い3次元映像になった骨の位置や深さなどの位置情報を描出しながら手術を行う事ができるシステムです。手術の安全性向上・手術時間の短縮につながるシステムとなります。
また、手術室では様々な高度管理医療機器が用いられており、それらを安全・円滑に運用するため始業前点検をはじめとした保守管理を行っています。
ICUでは重症患者に対して持続血液濾過透析(CHDF)や人工呼吸器、大動脈バルーンパンピングなど生命維持装置を使用した治療を行っています。
そのため医師・看護師・理学療法士・管理栄養士・薬剤師など多職種との連携が重要であり、そのなかで臨床工学技士も毎朝の多職種カンファレンスに参加し患者の情報共有やリハビリへの積極介入などをおこない質の高いチーム医療を追求しています。
経験豊富なスタッフの指導のもと若手スタッフが様々な業務に介入することができ、広い分野の経験を積むことができています。新人教育はラダー形式の教育プログラムを用いて行っており、知識・技術を業務内容別に習得していくことで携わる業務を段階的に拡げていけるよう指導していきます。
筑波大学と提携し附属病院水戸地域医療教育センターとなったことで、高度な医療に触れつつさまざまな診療科の医師と積極的にコミュニケーションをとりながら自己研鑽に励むことが可能です。
認定資格名 | 人数 |
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透析技術認定士 | 7名 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 5名 |
心血管インターベンション認定技師 | 1名 |
臨床ME専門認定士 | 1名 |
不整脈治療専門臨床工学技士 | 1名 |
植込み型心臓不整脈デバイス認定士 | 1名 |
認定集中治療臨床工学技士 | 1名 |