臨床工学技士(Clinical Engineer:CE)とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて医師の指示の下に、血液浄化装置(代謝・腎臓)、人工心肺装置(循環・心臓)、人工呼吸器(呼吸・肺)などの生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とするものです。近年の医療機器の目覚ましい進歩に伴い、医学と工学の両方の知識を有する専門技術者として医療の重要な一翼を担っています。当院では2002年4月に開設し、現在以下のような業務を行っています。
全体で29床、月水金は午前・午後2クール 火木土は午前のみ1クール実施しています。
透析には大量の水が必要になります。臨床工学技士は特に、超純水透析液を目指して水質管理し透析液清浄化に努めています。
また、血液透析(HD)、血液濾過透析(HDF)など治療が安全に行えるように、透析装置及び関連装置の保守管理を行っています。
血漿交換(PE)・血漿吸着(PA)などの特殊な血液浄化治療も行っています。
治療方針を決めるカンファレンスに参加し、それぞれに合った方法を検討するなど、医師や看護師と連携して治療に携わっています。
主に心臓カテーテル検査、中でも経皮的カテーテルインターベンション(PCI)に関与しています。PCI中の臨床工学技士は心電図の監視・記録、自動造影剤注入器の管理、ロータブレーター治療やIABP、体外式ペースメーカーなどに関わっています。
また末梢動脈疾患のカテーテル治療(EVT)、ペースメーカー植込み術やペースメーカー外来に臨床工学技士が関わっています。
手術室では主に整形外科・脊椎疾患分野での手術に関わっています。手術中の出血を回収洗浄し輸血へと役立てる「自己血回収装置」や、固定術などで骨にスクリューを挿入する際に、血管や神経の損傷の予防をサポートする「術中ナビゲーションシステム」の操作を行っています。これは、手術中に撮影したCT画像とナビゲーションシステムを連動する事で、非常に精度の高い3次元映像になった骨の位置や深さなどの位置情報を描出しながら手術を行う事ができるシステムです。手術の安全性向上・手術時間の短縮につながるシステムとなります。
また、手術室内で使用する様々な医療機器の点検も行います。全身麻酔中の管理を行う「麻酔器」の始業前点検や、血液データを測定するための「血液ガス分析装置」のメンテナンス、手術後の自己調節鎮痛に用いる「PCAポンプ」の点検・修理などを行っています。
ICUでは主に人工呼吸器を中心として、ICUの機器全般を管理しています。ICUでは患者さんの状態を監視するベッドサイドモニタや血液ガス分析装置、低体温療法装置、出張用透析装置など多数の医療機器が使用されています。このようなICUで使用される機器の日常点検や実際に正しく使用できているかなどの使用中の点検を行い、患者さんと医療機器の双方に注視しながら業務を行っています。
ME機器とは病院において患者さんに使用する機器のことです。ME機器は使用したいときに安全に使用できなくてはなりません。そのためには、日常のメンテナンスと定期的な点検が欠かせません。中央管理することにより常に点検の目が入るため安全性も向上し、効率的な使用も出来ます。中央管理している機種は
などです。その他、除細動器など病棟管理の機器も定期点検を行い、院内で故障した機器の修理依頼があった場合にもそれを引き受けています。
またME機器の正しい使用法などを、看護師をはじめ他の職員むけに勉強会を開催し安全に努めています。
臨床工学部は13名が所属しており、それぞれ経験豊富なスタッフから新人技士まで、日々の業務が円滑に進むように協力しています。
当院では、呼吸療法認定士・透析技術認定士など学会認定の資格も積極的に所得しています。また、様々な業務が若手スタッフに任され、その分多くの経験をすることができています。
また、筑波大学と提携し、附属病院水戸地域医療教育センターとなり、毎週行われるレクチャーを受講したり、高度な医療にも触れることができ、いろいろな診療科の医師と積極的にコミュニケーションをとり勉強しています。
認定資格名 | 人数 |
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透析技術認定士 | 5名 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 4名 |
心血管インターベンション認定技師 | 2名 |
臨床ME専門認定士 | 1名 |
不整脈治療専門臨床工学技士 | 1名 |