2025年4月1日より水戸協同病院内に脊椎脊髄センターが設立いたしました。
脊椎は頚椎・胸椎・腰椎・仙椎の4箇所の骨の総称であり、いわゆる背骨です。この脊椎に椎間板を加えた集合体を脊柱と言います。
また似た言葉として脊髄という言葉もありますが、これは脳から連続する神経であり、脊柱に並走しています。脊髄は頚椎と胸椎部分に存在し、腰椎では馬尾神経に移行します。
人の体は年齢とともに変化しますが、この脊柱も例外ではありません。
特に高齢になると骨の変形に伴う変性疾患や脊椎が折れてしまう骨脆弱性骨折が生じる頻度が高くなります。
この変形や骨折は時に脊髄や馬尾神経を圧迫し、痺れや痛みや麻痺の原因となります。
このような神経が侵される脊椎脊髄疾患は、患者さまのADLを大きく損なうこともある疾患となります。
そのため脊椎脊髄疾患に罹患した患者さまの的確な診断、病状に応じた治療の提案、安全な手術の遂行といった質の高い医療提供が重要となります。
当センターでは脊椎・脊髄を専門とする医師4人を中心に対応いたします。
神経の圧迫が生じた場合には、適切な治療が必要となります。放置は危険です。
軽症であれば薬剤治療が適応となり、重症であれば手術を必要とすることもあります。
適切な治療の選択には、患者さまや家族への脊椎脊髄疾患に対する理解を深めることが不可欠です。
手術におけるリスクをより小さくすることにより、幅広い治療選択が可能になると考えます。
安全性を高めるナビゲーションシステムを使用により周術期合併症を減らすことが期待できます。
また低侵襲な内視鏡手術手技により患者さまの回復時間を短くすることで、患者さまのADLを回復できることが可能になります。
特に高齢化の進む社会においては、一度損なわれた機能を早く取り戻し、日常生活に戻れるような治療が重要です。
当センターの開設により茨城県央地区を中心に多くの患者さまの専門的な治療のお役に立てるものと考えております。
※当センターの初診の外来受診は予約制であり、他医療機関からのご紹介が必要となります。
※当センターではセカンドオピニオン外来もおこなっております。一般予約とは異なりますので、セカンドオピニオンを希望される方は予約時にお申し出ください。